Japanese
English
綜説
心房性ナトリウム利尿因子と循環器疾患
Atrial Natriuretic Factor in Cardiovascular Diseases
中村 元行
1
,
荒川 直志
1
,
平盛 勝彦
1
Motoyuki Nakamura
1
,
Naoshi Arakawa
1
,
Katsuhiko Hiramori
1
1岩手医科大学第二内科
1The Second Department of Internal Medicine, Iwate Medical University
pp.971-978
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900356
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はじめに
心臓を中心とした体液の循環システムは,生体の維持に重要な役割をもっている.なかでも心臓のポンプ機能は最も基本的かつ重要なものである.最近,心臓にはこの機能のほかに心房性ナトリウム利尿因子と呼ばれるペプチドの分泌機能があり,心臓には内分泌臓器としての働きもあることが知られてきた.心房性ナトリウム利尿因子について,内分泌学的あるいは生理学的見地からみた総説は優れたものが多数ある.しかし,循環器疾患を中心としてこのペプチドについて解説したものは少ない.ここでは,血中心房性ナトリウム利尿因子は循環器疾患の臨床とどのような関連性をもっているのか,あるいはこのペプチドの分泌の増減がどのような病態生理学的役割を果たすのか,さらに治療への応用としてどのような可能性をもつかを最近の知見にしたがいまとめ,若干のコメントを加えた.
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