Japanese
English
綜説
心房性ナトリウム利尿ペプチド
Atrial Natriuretic Polypeptide
平田 恭信
1
Yasunobu Hirata
1
1東京大学医学部第二内科
1Department of Internal Medicine II, University of Tokyo, School of Medicine
pp.365-375
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204848
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I.緒言および歴史的背景
すでに1950年代に心房筋内の顆粒の存在がKischらによって報告され1),1960年代にはJamieson & Paladeらの詳細な検討により,この顆粒が内分泌細胞内顆粒に酷似していることが指摘されている2)。1970年代の後半になり,Canadaのde Boldはこの顆粒の数が水,Naバランスにより変化すること,すなわち,水制限により顆粒数は増加し,食塩負荷あるいは鉱質コルチコイド負荷により減少することを報告した3)。
一方,1956年Henry,Gauerらはイヌの左房圧をballoonで上昇させると利尿が生じることを見出した4)。この利尿反応の腎への遠心路については抗利尿ホルモンをはじめとする液性因子他,神経性因手の関与が推測されてきたが,既知の機序では十分に説明できなかった。
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