Japanese
English
特集 気管支喘息の新しい視点
新しい視点からみた気管支喘息の原因アレルゲン—アレルゲンの多様化?
New Insights on and Diversity of Cousative Allergens for Bronchial Asthma
木野 稔也
1
Toshiya Kino
1
1京都大学胸部疾患研究所内科第二
1The 2nd Department of Internal Medicine, Chest Disease Research Institute, Kyoto University
pp.851-857
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900338
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
気管支喘息患者の診療から得た漠然とした経験から言うと,1)皮膚反応やRASTによる検査で,原因アレルゲンが不明な気管支喘息ほど,治療と管理が難しい症例が多い1).2)多くの原因アレルゲンが見つかる症例ほど,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎など,気管支喘息以外のアレルギー性疾患を多く合併している症例が多い,などの傾向がある.
それでは原因アレルゲンの検索は全く無意味かというと,そうではないように思われる.気管支喘息を気道の炎症の立場から考えて治療しても,それだけでは最終的には治癒にまでもっていけないであろうとの予想は,それではどのようにすればよいのかという疑問を引き起こす.やはり,最初の基本に帰り,原因と悪化の因子を見つけて,それらを可能なかぎり制御する努力も,共に,大切なことは言うまでもないことである.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.