Japanese
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解説
123I-MIBG心筋像による心臓交感神経活性の評価
123I-Metaiodobenzylguanidine Myocardial Images for Assessment of Sympathetic Nervous System in the Heart
田中 健
1
,
相澤 忠範
1
,
加藤 和三
1
Takeshi Tanaka
1
,
Tadanori Aizawa
1
,
Kazuzou Kato
1
1心臓血管研究所
1The Cardiovascular Institute
pp.755-766
発行日 1991年8月15日
Published Date 1991/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900325
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はじめに
交感神経刺激と効果器(心筋)とを結び付ける伝達物質であるノルエピネフリン動態を明らかにすることは,心臓交感神経活性評価のうえで極めて重要である.ノルエピネフリンの生合成や分解過程など生化学的なこと1,2),動物実験での心筋内ノルエピネフリン動態や臨床例における血中ノルエピネフリンの動態に関しては多くの報告がある3).しかし,臨床例の局所心筋内カテコールアミン濃度評価は術中標本や生検標本などに限られ,生理的状態でこれらを知る方法が無いままであった4,5)(図1).
123I-Metaiodobenzylguanidine(MIBG)は,生体内でのノルエピネフリン動態研究の過程で合成された物質で,ノルエピネフリンと類似の構造を有し,生体内でこれと同様な挙動を示し,交感神経末梢のノルエピネフリン貯留小胞内に摂取されることが知られている6-8).最近になり常用投与量では非特異的取り込みが数%以下である比放射能が2.22MBq/μg以上,放射化学純度が94%以上の123I-MIBGが開発された9,10).動物実験では,初回投与MIBG摂取量とノルエピネフリン濃度の相関や心不全モデルにおけるMIBG動態また虚血によるMIBG取り込み低下などの報告がなされた11-17).最近,本邦においてMIBG心筋像(MIBG像)の臨床治験がなされ臨床的有用性が報告された18).
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