Japanese
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Bedside Teaching
カテーテルを用いた圧導出系の振幅と位相の周波数特性
Frequency Characteristics in Amplitude and Phase Lag of the Catheter-manometer System
杵淵 嘉夫
1
,
鈴木 利保
1
,
山崎 陽之介
1
,
山本 道雄
1
Yoshio Kinefuchi
1
,
Toshiyasu Suzuki
1
,
Yonosuke Yamasaki
1
,
Michio Yamamoto
1
1東海大学医学部麻酔科
1Department of Anesthesiology, School of Medicine, Tokai University
pp.767-777
発行日 1991年8月15日
Published Date 1991/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900326
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はじめに
カテーテルを用いて血管内圧を直接導出して記録するとき,dP/dtの立ち上がりやノッチの切れ具合いと基線の安定性がチェックポイントの1つである.この場合,前者は血圧波形の速い周波数成分を,後者は静圧を含む遅い周波数成分を見ていることになる.血圧波形の記録は静圧に相当する直流からdP/dtの20〜50Hzの高周波成分を含む信号を対象としており,これを血圧計(観血)に必要な周波数帯域と呼び,周波数変化に対する応答を周波数特性と呼んでいる.
血圧の観測系はカテーテルとその内圧を電気信号に変える圧力トランスデューサ部と所定の大きさに増幅する増幅器および表示のためのレコーダの3つの部分に分けられ,それぞれ異なった周波数特性を持っている.通常,増幅器とレコーダの周波数特性は一様・平坦に設計されており,系全体の周波数特性はカテーテルと圧力トランスデューサのそれによってほとんど決定される.しかるに,血圧センサーともいうべきこの部分の周波数特性は圧力や温度,カテーテルの長さや太さ,使用した延長チューブや活栓の数等によって大きく変化し,全く異なった血圧計に変身することもありうる.それゆえ,これらのふるまいを正しく把握し,適切に補償することが忠実な波形観測のための不可欠なテクニックとなってくる.
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