Japanese
English
Bedside Teaching
吸入療法とスペイサー
Inhalation Therapy : Effect of Spacer
鈴木 俊介
1
,
赤堀 正
1
Shunsuke Suzuki
1
,
Tadashi Akahori
1
1横浜市立大学医学部第一内科
1The First Department of Internal Medicine Yokohama City University School of Medicine
pp.547-553
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900290
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吸入療法は標的臓器である気管支および肺胞に薬剤を直接投与するため作用が速効性であり,また注射剤や内服薬に比べて少量の薬剤でも臨床効果が認められ副作用の危険性も小さいことから,喘息に限らず広く呼吸器,耳鼻科領域の治療に用いられている.
喘息の吸入療法に用いられる薬剤には,β刺激剤,抗コリン剤,副腎皮質ホルモン剤,抗アレルギー剤,喀痰溶解剤などがある.これらの薬剤の開発とともに,それを気道系に吸入させる装置の開発,改良によって喘息における吸入療法はますます拡大され,既に欧米では吸入薬が喘息治療のfirst choiceとなっている.特に,β刺激剤,抗コリン剤,副腎皮質ホルモン剤の定量噴霧式吸入器(metered dose inhaler:MDI)は操作が簡単で携帯も便利であることから,日本でも普及しはじめている.しかし,吸入操作の不適切さ,物理的,生理的要因などによる影響などで,吸入薬が目的とする気道内に必ずしも充分量到達しないという問題点もある.MDI吸入療法のこうした欠点を補うため,最近スペイサーの併用が推奨されており,さまざまなタイプのものが開発されている.
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