Japanese
English
綜説
吸入療法
Inhalation Therapy
後藤 幸生
1
Yukio Gotô
1
1名古屋市立大学医学部麻酔学教室
1Department of Anesthesiology, Nagoya City University Medical School
pp.708-718
発行日 1971年9月15日
Published Date 1971/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202300
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はじめに
呼吸器疾患,さらには種々の程度の呼吸不全に対し最も有力な療法としてわれわれは,経気道的療法を行なうことができる。これが吸入療法である。そこでまず内科的にせよ外科的適応にせよ,その手段,内容から吸入療法を分類してみると表1の如く整理することができる。すなわち気道内carrier gasの基本はoxygenであり,therapeutic gas inhalation therapyである。またいろいろの物質はnebulizationという形でgasと共に吸入されるので,これは一括してnebulization ther—apyといわれる。そして特殊な手段としてmechanical ventilation therapyがあり,さらにこれら吸入療法を容易にし,あるいは強化する補助療法も重要なものといわねばならない。さらには吸入療法に付随した各種の補助手段もとられるわけである。一方,吸入療法という場合inhalation therapyとbreathing therapyという言葉を患者側の主体性の有無で区別して使用するとよいと考える。すなわちbreathing therapyという場合は患者の自由意志下で自らactiveに吸入を行なうようなときで狭義の吸入療法であり,inhalation therapyという場合はその他の場合で広い意味で用いている。
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