Japanese
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解説
心不全の長期予後の変遷
Prognosis of Chronic Heart Failure
篠山 重威
1
Shigetake Sasayama
1
1富山医科薬科大学医学部第2内科
1The 2nd Department of Internal Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University Faculty of Medicine
pp.539-546
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900289
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重症心不全の死亡率は非常に高く,5年間の生存率は50%以下で予後は悪性新生物よりも悪い1).心不全は従来血行動態的な観点から定義されてきたが,最近,より有用で現状に合った定義として,心機能障害が,1)運動耐容能の減少,2)心室性不整脈の頻発,3)生存率の低下を伴う,場合を心不全とする新しい概念が提唱された2).この定義に基づくと,心不全治療の目的は最終的には患者の生存率を増大させることになる.
早期死亡の危険性のある患者を前もって鑑別する必要性はますます増大している.特に,薬物治療の長期効果や安全性がいまだ確立されていないこと,将来日本でも始まるであろう心臓移植の適応患者を的確に決定する必要があること等の点からも,心不全患者の予後を正確に知り,それを修飾する因子を十分に理解する必要がある.
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