治療のポイント
吸入療法
中川 圭一
1
1東京共済病院・内科
pp.1657-1658
発行日 1965年11月10日
Published Date 1965/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201058
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吸入療法は呼吸器疾患に対する局所療法である。その適応症は呼吸器感染症,気管支閉塞性疾患である。
戦前においてはアルコールランプを使用する蒸気吸入療法がもつぱら行なわれていたが,最近ではネブライザーによる噴霧(エロゾル)吸入療法が盛んになつてきた。ネブライザーは硬質ガラスかプラスチック製で,このものも中に薬液を入れ空気または酸素をある圧力で送り込むと0.5〜2.5μの大きさのエロゾル粒子となつて薬液が噴霧される。この程度の大きさの粒子は吸入されると気管支の奥まで到達されることになつているので,合理的である。このネブライザーをエアコンプレッサーにつなげて噴霧する方法とIPPB(吸気時間間歓的陽圧換気装置)でやる場合とある。後者はべネットバルブを使つて息を吸う時だけ酸素を肺の中に押し込み,吐く時は楽に吐けるようにしてあり,同時にネブライザーを通じて薬液がエロゾルとなり気管支の奥まで到達し得る装置である。
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