Japanese
English
綜説
好酸球による肺傷害
Eosinophil-induced Lung Injury
岩本 逸夫
1
Itsuo Iwamoto
1
1千葉大学医学部第2内科
1The Second Department of Internal Medicine, Chiba University School of Medicine
pp.514-521
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900286
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はじめに
好酸球は種々の生理活性物質を産生し,細胞表面受容体を介する刺激により活性化されるとそれらを遊離し,細胞・組織傷害および炎症反応を惹起する.すなわち,好酸球の顆粒成分にはMBPをはじめとする塩基性蛋白が大量に含まれており,いずれも強い細胞傷害性を有している,さらに好酸球が活性化された際に産生されるO-2も細胞傷害性に働く.また好酸球はLTC4やPAFなどの化学伝達物質を産生し,血管透過性亢進・白血球遊走作用により炎症反応を引き起こす.これらのことから好酸球は炎症惹起性の細胞と考えられている.本稿では,好酸球による細胞傷害の機構と気管支喘息やPIE症候群など好酸球性肺疾患における好酸球の役割について最近の知見を略述する.
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