Japanese
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特集 呼吸器系とリンパ循環
肺リンパ循環—総論
Lymphatic Circulation of the Lung : General Considerations
朝倉 庄志
1
,
岡田 慶夫
2
Shoji Asakura
1
,
Yoshio Okada
2
1滋賀医科大学第二外科
2滋賀医科大学
1The Second Department of Surgery, Siga University of Medical Science
2Shiga University of Medical Science
pp.407-412
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900267
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緒論
リンパ系は脈管系であるリンパ管lymphaticsとその経路に介在するリンパ組織lymphoid tissueとからなっているが,広義には脈管外における体液循環も含められる.木原1,2)は後者を脈管外通液路系extra-vaskuläres Saftbahnsystemと名づけ,組織内における体液や微細粒子の移動に重要な役割を果たしていることを力説した.
肺においては,組織液だけでなく気道の壁から間質内に進入した異物なども,組織間隙を経てリンパ管に運ばれる.リンパ管内に入った異物は,リンパ液の流れによってリンパ節に運ばれ,ここで捕捉される.また,リンパ管に進入した肺癌細胞もリンパ液の流れに乗ってリンパ節に運ばれ,ここで増殖して転移巣を形成する.
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