Japanese
English
特集 肥満と呼吸
肥満と胸壁メカニックス
The chest wall mechanics in obesity
長尾 光修
1
,
堀江 孝至
2
Koshu Nagao
1
,
Takasi Horie
2
1濁協科大学越谷病院呼吸器内科
2日本大学医学部第一内科
1Division of Respiratory Disease, Dokkyo University School of Medicine, Koshigaya Hospital
21st Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.411-415
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900135
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はじめに
過剰な脂肪は主に胸・腹壁の皮下あるいは胸腔内縦隔腹腔内,後腹膜に沈着する。近年CTの善及で肥満者の脂肪沈着部位の診断も可能となり皮下型,内臓型に分類されている。しかしながら肥満者の肺機能については脂肪の沈着部位別による報告はいまだ見ないのが現状である。一般に肥満者では脂肪沈着による胸・腹部のcomplianceの低下と加重負荷による予備呼気量(ERV)の減少が肺気量変化の主体とされている。また通常の健康者では一般的に無視できる慣性も肥満者の早い呼吸では無視できないとされている。ここでは肥満者の肺気量分画,胸壁compliance,慣性ならびに体位変換による呼吸筋群の活動性,横隔膜の加重補正(operational len-gth compensation length adjustment)などについて主に文献的な紹介をする。
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