Japanese
English
綜説
本邦における虚血性心疾患のリスクファクターの変遷
Levels and trends of major risk factors of ischemic heart disease in Japan
堀部 博
1
,
笠置 文善
1
,
吉永 亜子
1
,
撫井 賀代
1
Hiroshi Horibe
1
,
Fumiyoshi Kasagi
1
,
Ako Yoshinaga
1
,
Kayo Mui
1
1国立循環器病センター研究所疫学部
1Department of Epidemiology, National Cardiovascular Center Research Institute
pp.109-114
発行日 1990年2月15日
Published Date 1990/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900092
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わが国の虚血性心疾患は他の先進工業国と比較して非常に頻度が低く,患者の実数は増加しているが,性年齢訂正の率としては減少している。虚血性心疾患による死亡率をみると,1970年頃まで急激な増加をきたし,欧米の一部の国々と時を同じくして,その後減少に転じた。虚血性心疾患の患者の数は,中年層および高齢層の人口の著しい増加に伴って,いまなお増加を続けている1)。
世界各国ともに増加を続けていた虚血性心疾患が,1970年前後を境にして,多くの国で減少に転じ,他の国も遅れて減りだした2)。その理由は必ずしも十分に分かっていない。発症に関連する因子に意外に大きな変化が起きたに違いない。
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