Japanese
English
特集 血小板と心疾患—その新展開
Tissue Factorと冠動脈内血栓形成
Tissue Factor and Intracoronary Thrombus Formation
海北 幸一
1
,
小川 久雄
1
,
泰江 弘文
1
,
竹屋 元裕
2
Koichi Kaikita
1
,
Hisao Ogawa
1
,
Hirofumi Yasue
1
,
Motohiro Takeya
2
1熊本大学医学部循環器内科
2熊本大学病理学第二講座
1Division of Cardiology, Kumamoto University School of Medicine
2Second Department of Pathology, Kumamoto University School of Medicine
pp.747-752
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900042
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はじめに
急性冠症候群の発症は冠動脈内のプラークの破綻とそれに伴う血栓形成,その後の不完全,あるいは完全閉塞が直接的な原因と考えられている1,2).現在,プラーク破綻の原因として,冠動脈狭窄局所における血行動態やshear stressの変化,冠動脈攣縮などに加えて,冠動脈硬化プラーク内に存在する様々な因子の関与が考えられている3〜7).プラーク破綻後の血栓形成過程においては血液凝固開始反応が必要となるが,そのなかで細胞組織由来の凝固因子である組織因子(TF)は外因系凝固機転の開始反応を担う重要な膜蛋白であり,最近,破綻前の冠動脈プラーク内でもその発現が報告されている8〜10).
本稿では,冠動脈プラーク内におけるTFの局在について最近の知見を交えながら報告する.
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