Japanese
English
Bedside Teaching
冠動脈内血栓吸引療法
Coronary Thrombus Aspiration Therapy
川野 成夫
1
,
伊藤 浩
1
Shigeo Kawano
1
,
Hiroshi Ito
1
1桜橋渡辺病院内科
1Division of Cardiology, Sakurabashi Watanabe Hospital
pp.821-826
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100705
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はじめに
急性心筋梗塞に対するカテーテルインターベンション(PCI:percutaneous coronary intervention)による再潅流治療は,閉塞した冠動脈を確実に再疎通させることで冠血流を回復させ,梗塞発症後の心機能回復や予後に大きな改善をもたらした.しかし,心筋梗塞における冠動脈の閉塞は,不安定プラークの破綻と血栓形成により生じるため1,2),解剖学的に冠動脈が十分に拡張された場合でも,再潅流に伴って末梢塞栓を合併することがある.
最近,PCIに伴う末梢塞栓を防止するため,冠動脈内血栓吸引療法と末梢保護法(Distal Protection)が考案され臨床応用されている.本稿では,本邦で開発された血栓吸引デバイスを中心として,冠動脈内血栓吸引療法における手技上の留意点を概説する.
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