連載 症例で学ぶ非結核性抗酸菌症・14
肺アスペルギルス症合併例での治療戦略
鈴木 翔二
1
,
長谷川 直樹
2
,
小川 賢二
3
,
佐々木 結花
4
,
森本 耕三
4
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
2慶應義塾大学医学部感染制御センター
3国立病院機構東名古屋病院呼吸器内科
4結核予防会複十字病院呼吸器内科
pp.185-190
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200124
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症例1 56歳男性(図1)
X−4年10月の人間ドックで胸部異常陰影を指摘され,他院を受診した.右上葉に空洞形成・気管支拡張病変を認め,喀痰培養からMycobacterium avium complex(MAC)が検出され,肺MAC症と診断した.X−3年6月に当院を紹介受診し,症状が軽度だったため無治療で経過観察していた.その後,時折血痰があり,咳嗽・喀痰も増悪した.右上葉の空洞・気管支拡張病変周囲に不整形陰影が出現し,アスペルギルス症の合併が疑われた.
【血液検査所見】CRP 0.01mg/dl,ガラクトマンナン抗原1.0,β-Dグルカン<3.5pg/ml,アスペルギルス沈降抗体陽性.
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