Japanese
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綜説
ヒトiPS細胞から気道上皮細胞への分化促進
Generation of Airway Epithelial Cells from Human Induced Pluripotent Stem Cells
小西 聡史
1
,
後藤 慎平
1
Satoshi Konishi
1
,
Shimpei Gotoh
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
1Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University
pp.785-789
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206012
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はじめに
今から10年前,マウス由来の体細胞に少数の細胞初期化因子を導入することにより,分化状態を運命づけられたはずの体細胞が発生初期の段階に戻されることがわかり,山中伸弥博士らにより人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells;iPS細胞)と命名された1).翌年には,ヒトiPS細胞の樹立方法も報告された2).無限の増殖能と多分化能を併せもつヒトiPS細胞は,再生医療研究に加え,疾患患者由来のiPS細胞を用いることで,疾患モデリングからの病態解明・創薬研究にも使える有用なツールとして期待される.呼吸器領域は,他臓器に比べると臓器構成細胞への分化誘導法の確立に遅れがあったが,ようやく機能的な気道上皮細胞の分化誘導ができるようになったことで,今後,ヒト気道上皮細胞を用いた研究は加速すると思われる.今回は,ヒトiPS細胞からの気道上皮細胞の分化誘導について紹介する.
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