Japanese
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特集 二次性心筋症の見分け方と治療
内分泌性心筋症,周産期心筋症
Endocrine and Peripartum Cardiomyopathy
今村 輝彦
1
,
絹川 弘一郎
2
Teruhiko Imamura
1
,
Koichiro Kinugawa
2
1東京大学大学院医学系研究科重症心不全治療開発講座
2富山大学第二内科
1Department of Therapeutic Strategy for Heart Failure, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
2Second Department of Internal Medicine, University of Toyama
pp.671-676
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205992
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はじめに
比較的頻度としては稀ではあるが二次性心筋症の原因として見逃してはならない疾患群に内分泌性心筋疾患が挙げられる.循環器内科医にとっては必ずしもなじみ深い疾患ではなく,原因不明の心筋症,心不全症例として治療を受けているもののなかなか軽快しない場合や,心不全では一元的に説明しがたい随伴症状を伴っている場合は積極的に内分泌性心筋症を疑い,これらを除外すべきである.一般的な心不全治療に抵抗性を示すことのみならず,内分泌疾患それぞれをきちんと診断して,特異的な治療を行うことで心不全までも根治できる可能性が高いことが理由である.
本稿では,周産期心筋症に関しても扱う.根本的な原因や発症機序ははっきり解明されていないものの本疾患はしばしば重篤で不可逆的であり,しばしば補助人工心臓治療や心臓移植を要することもある.
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