今月の主題 脂質代謝と動脈硬化
動脈硬化症の成因理解のための脂質代謝
細胞内脂質蓄積機構
袴田 秀樹
1
,
堺 政和
1
,
堀内 正公
1
1熊本大学医学部第2生化学
pp.648-650
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903583
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ポイント
●コレステロールエステルを大量に蓄積した泡沫細胞は,動脈硬化症の初期病変の病理学的特徴である.
●初期病変の泡沫細胞の大部分は血中単球に由来するマクロファージである.
●泡沫細胞に蓄積したコレステロールエステルは,血中のLDLが血管内皮細胞下で酸化的な化学修飾を受けた後,マクロファージのスカベンジャー受容体経路を介して取り込まれたものと考えられている.
●泡沫細胞中のコレステロールエステルは,生化学的には脱エステル化と再エステル化の動的平衡(CE cycle)にあり,この回転速度の大小がHDLによるコレステロール引き抜きと密接に関連する.
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