Japanese
English
特集 肺高血圧症の病態と治療2016 Up to Date
呼吸器疾患に伴う肺高血圧症に対する治療戦略
Therapeutic Strategies for Pulmonary Hypertension Due to Lung Diseases
花岡 正幸
1
Masayuki Hanaoka
1
1信州大学学術研究院医学系医学部内科学第一教室
1First Department of Medicine, Shinshu University School of Medicine
pp.576-581
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205974
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
2013年,フランス・ニースで開催された第5回国際肺高血圧症シンポジウムにて,呼吸器疾患に伴う肺高血圧症(pulmonary hypertension;PH)の分類,診断,治療が討議された.エビデンスを有する治療として長期(在宅)酸素療法の有効性が確認されたものの,肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension;PAH)治療薬の使用に関しては,推奨しないという結論になった.ニース会議以降も呼吸器疾患に伴うPHに対するPAH治療薬の効果を検証する大規模な臨床試験は行われていない.このため,2015年に欧州心臓病学会と欧州呼吸器学会が合同で作成した「肺高血圧症の診断と治療のためのガイドライン」でも,PAH治療薬の使用は推奨しないと明記されている.本稿では,まず呼吸器疾患に伴うPHの診療方針を述べ,次にPAH治療薬の臨床試験の概要と結果に関し解説を加える.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.