Japanese
English
綜説
肺高血圧症の最新の薬物療法
Newest Medical Treatment of Pulmonary Hypertension
佐藤 徹
1
Tohru Satoh
1
1杏林大学医学部付属病院循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Kyorin University Hospital
pp.497-502
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205960
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はじめに
2000年にエポプロステノールの在宅持続静注療法が日本でも認可になり,日本の肺高血圧治療の夜明けとなった.それまでの特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)の5年生存率は日本でも欧米と同様に30%前後であったが,欧米でエポプロステノールが使用されて5年生存率は2倍の60%ぐらいまで伸びた.それから15年が経過したが,エポプロステノールの使い方に改良が加えられ,また他の作用機序の経口血管拡張薬も開発されて,さらに予後が改善してきている.本稿では,予後および自覚症状である息切れを改善できる,とされている薬物療法の方法を概説したい.また,肺高血圧症の原因疾患は4つから5つに分類されており,薬物療法が有用な原因疾患はグループ1の肺動脈性肺高血圧症である.したがってこれを対象として記述する.
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