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はじめに
最初に臨床応用された血管内イメージング,血管内超音波法(intravascular ultrasound;IVUS)は1972年に英国で特許申請され,1980年代後半より臨床応用されている1,2).日本では1996年より保険償還されている.光干渉断層法(optical coherence tomography;OCT)は波長1,300nmの近赤外線を用いた血管内イメージングでありIVUSの約10倍の解像度をもつ3).1991年に日米で特許申請され,2005年より循環器領域で臨床応用され,日本では2008年より保険償還されている.脂質性プラークの検出が可能となる近赤外線分光法(near-infrared spectroscopy;NIRS)4,5)とIVUSが1本の冠動脈内イメージング装置として組み合わされたTVC(true vessel characterization)Imaging SystemTMが2014年9月に薬事承認を取得し,2015年6月にIVUSカテーテルとして保険償還が開始された.
近年血管内イメージングは研究ツールとしての枠組みから日常診療の様々な疑問に答える貴重なツールへと変わりつつある.冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention;PCI)において責任病変はどこか? 脆弱性プラークか? ステントサイズは? 末梢塞栓の可能性は高いか? 冠動脈造影検査では得られなかった情報が血管内イメージングでは得られる6).急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)後の動脈硬化治療として,スタチンが標準治療とされているが7,8),薬剤治療の効果判定においても血管内イメージングは重要な役割を果たしている9).本稿では,日本で多く利用されているIVUS,OCTと最近使用可能となったNIRS-IVUSについての有用性と進歩について自施設の知見も含めて概説する.
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