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あとがき
三嶋 理晃
pp.208
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205911
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今回の特集では,呼吸器疾患と慢性炎症の関連について,斯界でご活躍の9人の先生方に解説いただいた.
石井誠先生は,インフルエンザ,HDAC阻害薬,マクロライド抗菌薬,COPD急性増悪などと,感染免疫との関係を論じておられる.中島裕史先生は,アレルギー性気管支炎症におけるヘルパーT細胞の分化誘導機構の解明と治療戦略との関連を解説しておられる.檜澤伸之先生は,難治性気道疾患のフェノタイプ/エンドタイプの分類における炎症性バイオマーカーの役割を論じておられる.武田吉人先生らは,COPDにおける慢性炎症が,全身併存症の発症と進行に密接に関係するとしておられる.萩原弘一先生は,薬剤性肺障害や特発性肺線維症(IPF)の増悪に対して,慢性炎症の関与がどの程度寄与しているのかは未だ明らかではないとしておられる.後東久嗣先生らは,IPFと肺癌の発症・進展における炎症細胞としてのfibrocyteの役割を論じておられる.岡元昌樹先生らは,IPFの進展に関連する様々なサイトカインについて,多角的な解説をしておられる.石井健男先生は,IPFにおいて,巨大な集団に対するgenome-wide association study(GWAS)が,新規治療薬の開発につながるとされている.小田桂士先生らは,IPFに対する2種類の抗線維化治療薬を中心に,IPFの治療薬の最新の知見をまとめておられる.
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