Japanese
English
特集 LAMに対するシロリムス療法の実用化時代を迎えて
シロリムスによる副作用としての口内炎の予防と治療について
Prevention and Care Management of Stomatitis in Patients Treated with Sirolimus
北村 信隆
1
,
森山 寛史
2
,
高田 俊範
3
,
芳澤 享子
4
,
中田 光
5
Nobutaka Kitamura
1
,
Hiroshi Moriyama
2
,
Toshinori Takada
3
,
Michiko Yoshizawa
4
,
Koh Nakata
5
1新潟大学医歯学総合病院プロトコールデータセンター
2新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
3新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センター
4新潟大学医歯学総合病院口腔再建外科
5新潟大学医歯学総合病院生命科学医療センター
1Protocol Data Center, Niigata University Medical and Dental Hospital
2Division of Respiratory Medicine, Niigata University Medical and Dental Hospital
3Uonuma Institute of Community Medicine, Niigata University Medical and Dental Hospital
4Department of Oral and Maxillofacial Reconstructive Surgery, Niigata University Medical and Dental Hospital
5Bioscience Medical Research Center, Niigata University Medical and Dental Hospital
pp.1167-1175
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205860
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はじめに
mTOR阻害剤であるシロリムスは,難病で若年女性の希少肺疾患であるリンパ脈管筋腫症(LAM)の治療薬として,筆者らの所属する施設を中心に医師主導治験(MLSTS)が行われ,2014年7月4日,世界で初めてLAMに対する治療薬として薬事承認された.最も高頻度に発症する有害事象の一つに口内炎がある.LAMに対するシロリムスは,多くの場合かなり長期に渡って投与する必要があるため,口内炎が繰り返し発症することも少なくない.それによりしばしば摂食・嚥下や会話などの機能が低下することがあり,症状が強い場合にはシロリムスの投与量を減量もしくは休薬せざるを得ない場合もある.したがって口内炎を制御することは,治療効果ならびに患者のQOLの向上につながり得る.
そこで今回,シロリムスによる口内炎に対する予防ならびに治療対策について報告する.
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