増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
9 腫瘍
抗がん剤の副作用対策
口内炎
大坪 公士郎
1
,
矢野 聖二
1
1金沢大学附属病院がん高度先進治療センター
pp.211-214
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205642
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疾患の概要
口内炎は口腔粘膜に起こる比較的広範囲の炎症性変化であり,悪心・嘔吐,下痢とともに化学療法における消化器毒性の1つで,化学療法を施行した症例の30〜40%程度に認められる.疼痛や経口摂取低下を引き起こし,患者のQOLを損ない,感染症発症や死亡のリスクファクターとも考えられている.
口内炎は口唇裏面,頬粘膜,舌側縁部〜舌腹などの動きのある柔らかい可動粘膜に発症する.口内炎の発生は口腔粘膜上皮細胞の細胞周期と関連しており,化学療法開始後5〜10日程度で出現する.自覚症状として口腔内の接触痛・冷温水痛,開口困難,嚥下困難,味覚異常など,他覚所見として口腔粘膜の発赤,腫脹,紅斑,びらん,アフタ,潰瘍,偽膜,出血などが認められる.
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