創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
咽喉頭—症候と疾患
口内炎
大山 勝
1
,
大野 聖
1
,
昇 卓夫
1
,
原口 申一
1
1鹿児島大学医学部耳鼻咽喉科
pp.811
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208754
- 有料閲覧
- 文献概要
舌,口腔粘膜の疾患は原因が多種多彩で,また特殊な例を除けば,混合感染により修飾されて,最盛期の病像は,ときに鑑別不能なものが少なくない。したがつて口内炎の場合,一般に視診や疾病の経緯などにより臨床分類がなされることが通例である。肉眼的にはカタル性,糜燗性,潰瘍性,壊疽性,アフタ性,またその経過により急性,慢性さらには再発性や難治性の如く名称がつけられている。診断にあたつては局所の病変を主体とするものか,あるいは全身系統疾患の一分症として発現しているのかを注意深く鑑別する心構えが大切である。これは,ただちに適切な治療法につながり,他方ではその経過,予後を知る上で肝要である。今回はこれらの点を踏まえて,日常臨床でしばしば遭遇する口内炎の代表例に焦点を絞り,主としてわれわれの現今の治療法を中心に述べることにする。
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.