特集 癌治療に伴う副作用との闘い
癌治療副作用としての口内炎を持つ患者への援助
高橋 さつ子
1
,
金子 好子
1
,
堀 浩子
1
,
向田 良子
1
1埼玉県立がんセンター内科病棟(5病棟)
pp.165-169
発行日 1985年2月1日
Published Date 1985/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923025
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はじめに
癌患者に対する化学療法は,血液疾患を中心に近年目覚ましい発展を遂げている.しかし,その結果,強力な骨髄抑制が生じ,経過中に種々の感染症を引き起こすことがある.その中でも口内炎は,頭頸部腫瘍の放射線照射後の副作用とあわせて,最も頻発する症状である.
一度発症すると治癒しにくく,疼痛のため食事もできなくなり,ひどい場合には,会話困難,開口困難,さらに不眠等の症状もみられるようになる.これらは,患者の闘病意欲をも低下させ,治療に影響することにもなる.また化学療法後の顆粒球が減少した患者の場合は,直接死に結びつく重症感染症の原因ともなる.
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