Japanese
English
特集 膠原病に伴う循環器疾患
抗Ro抗体と新生児心ブロック
Anti Ro Antibody and Congenital Heart Block
山西 愼吾
1
,
伊藤 保彦
1
Shingo Yamanishi
1
,
Yasuhiko Itoh
1
1日本医科大学小児科学教室
1Department of Pediatrics, Nippon Medical School
pp.1057-1062
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205840
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はじめに
抗Ro抗体による新生児心ブロックは新生児ループスで認められる症状の一つである.母体由来の自己抗体である抗Ro抗体が胎盤を介して胎児に移行し,移行した抗Ro抗体が何らかの機序で胎児の臓器障害を引き起こすことで新生児ループスは発症する.心ブロック以外に皮膚障害,肝機能障害,血球障害などを来すことがあるが,これらの臓器障害は母体の移行抗体が消失することによって改善する.しかし,心臓に対する障害(心ブロック,心筋炎など)は移行抗体が消失後も改善しない場合,あるいは進行する場合がある.本総説では,これまでに明らかにされてきた知見から想定される抗Ro抗体による新生児心ブロックの分子レベルの機序,抗Ro抗体陽性の妊婦の管理方法および心ブロックを発症した胎児への治療方法に関して述べる.
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