Japanese
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綜説
NPPVの新潮流〜iVAPSモード〜
New Current of Non-invasive Positive Pressure Ventilation—iVAPS Mode—
藤井 一彦
1
,
興梠 博次
1
Kazuhiko Fujii
1
,
Hirotsugu Kohrogi
1
1熊本大学大学院生命科学研究部呼吸器内科学分野
1Department of Respiratory Medicine, Faculty of Life Sciences, Kumamoto University
pp.469-476
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205704
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はじめに
慢性Ⅱ型呼吸不全や,肥満低換気症候群など睡眠中の肺胞低換気により低酸素血症となる症例では長期NPPV療法が行われている.疾患によりエビデンスレベルは異なるが,長期NPPV療法は動脈血液ガスの改善や,呼吸困難,起床時頭痛,倦怠感などの臨床症状,QOLを改善し,さらには生命予後の改善も期待できる.
NPPVの換気モードはS/Tモードが主に使用されてきたが,患者の呼吸努力や呼吸回数の変動に伴って換気量が変化し,十分なコントロールが得られないことや,圧力や同調性への違和感から継続が困難なことも少なくない.iVAPSモード(intelligent volume-assured pressure support mode)はプレッシャーサポートとバックアップ呼吸回数を自動的に調節することによりあらかじめ設定した目標肺胞換気量を維持する新しい換気モードであり,既存モードを超える治療効果や同調性,快適性が期待されている.
現時点ではiVAPSモードに対するエビデンスは多くはないが,本稿ではiVAPSモードの特徴,および,その有用性と問題点について概説する.
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