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Current Opinion
気管支喘息―成因,病態生理を中心に
Recent Update in Asthma: A Link between Innate and Adaptive Immunity
津村 真介
1
,
興梠 博次
1
Shinsuke Tsumura
1
,
Hirotsugu Kohrogi
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部呼吸器病態学分野
1Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medical and Pharmaceutical Sciences, Kumamoto University
pp.1059-1063
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101353
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気管支喘息をめぐる最近1年間の話題
[1]臨床研究の成果から
喘息における炎症のメカニズムは非常に複雑で,様々なphenotypeが混在した症候群であることが認識されつつある.Anderson1)は,喘息の病態の複雑さを遺伝的要因や関与する免疫システムの多様性など喘息にまつわる様々な因子も総合的に関連づけて現時点における“喘息”というコンセプトの枠組みを提示した.またHaldarら2)は,クラスター解析によって喘息のphenotypeを5つに分類した.1)Benign asthma,2)Early onset atopic asthma,3)Obese non-eosinophilic,4)Early symptom predominant,5)Inflammation predominantの5型である.いずれも今後さらなる議論を重ねる必要があるが,喘息の病態を考えるうえで示唆に富む分類である.
喘息の診断,管理については呼気NOに関して2つの臨床研究が報告された3,4).いずれも,呼気NOを指標とした治療ステップの調節は通常の治療に比べて優位性を証明できなかった.ただ,自覚症状に乏しい喘息症例などは,呼気NOによる炎症モニタリングにより恩恵を受けると思われるので,今後のさらなる検討が必要であろう.
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