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特集 ペースメーカ治療の合併症への対応
デバイスリコールの実態と対応
Current Status and Correspondence in Device Recall
西井 伸洋
1
Nobuhiro Nishii
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科先端循環器治療学講座
1Department of Cardiovascular Therapeutics, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical
pp.439-445
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205700
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はじめに
心臓植込み型デバイスは,それを必要とする患者さんにとって,人体に異物を植込むといった非生理的な問題を大きく超えるメリットが認められ,その適応が拡大してきた.また,適応疾患も徐脈性不整脈,頻脈性不整脈,心不全と拡大しており,それに伴いデバイスも複雑になってきている.しかしながら,人が作製する機械であるため,少なからず不具合が出現する可能性がある.非常に頻度が少なければ,機械であるという特性上やむを得ないということになるが,他のシステムと比較して有意に不具合の割合が多くなると,リコールがかかる.通常よく耳にするのは,自動車などのリコールである.無償で部品の交換などを行いそれで解決される.しかしながら,心臓植込み型デバイスの場合は大きく異なる.まず,その頻度は自動車の場合と比較して非常に少ないが,危険性は遙かに高いといえる.デバイスに依存している患者さんもおられ,生命の維持に直結する場合もある.対応も簡単に部品の交換をすれば済むわけではない.交換するには,観血的な処置が必要で,それによって合併症が出現する可能性もあるため,個々によって対応を考慮しなければならない.
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