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特集 ペースメーカ治療の合併症への対応
リード断線の実際とその対応
Detection, Risk Factors and Management of the Patient with Lead Failure
西山 信大
1
,
高月 誠司
1
Nobuhiro Nishiyama
1
,
Seiji Takatsuki
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
1Department of Cardiology, Keio University School of Medicine
pp.447-457
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205701
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最近の技術進歩やノウハウの蓄積により,デバイス本体の性能,機能は著しい改善をみせている.デバイス本体は電池交換の際に新しいものになるが,基本的に交換しないリードに関しては抜去が容易でないこともあり,耐性に優れたリードの開発への期待は大きい.しかし,リードに関しては実際の評価に長時間を要するという難しい問題があり,昨今のリコールの問題なども考えると,絶縁体の種類や構造などを含めて,そこまで改善していない.現時点では,埋め込み時の注意によりリード断線のリスクを回避することや,重大な合併症となる前に早期発見し,適切な対応を取ることが非常に大事である.
リード断線は,ペーシング不全,センシング不全(オーバーセンシング,アンダーセンシング),さらには埋め込み型除細動器(ICD)や心臓再同期療法付き埋め込み型除細動器(CRTD)ではオーバーセンシングによる不適切作動,除細動治療システム(除細動用のコイルを含む)内のショートにより適切な治療が受けられないなど,致命的なものまで様々なトラブルの原因となるため,デバイス管理上避けては通れない重要な課題である.リード断線は,リードの構造上,導線断線(conductor fracture),被覆/絶縁体損傷(insulation failure)と2つに大きく分けられるが,両者を合併することもある.リード断線の頻度と原因,フォローアップ中の早期発見のための所見とそれぞれの特徴,発生を減らすための工夫や実際の対応の方法などについて本稿では触れていきたい.
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