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特集 ペースメーカ治療の合併症への対応
心臓植込みデバイス交換手術時の合併症
The Complication Related to the Exchange of Implantable Cardiac Electrical Devices
佐藤 俊明
1
,
副島 京子
1
Toshiaki Sato
1
,
Kyoko Soejima
1
1杏林大学医学部循環器内科
1Department of Cardiology, Kyorin University School of Medicine
pp.413-416
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205696
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米国におけるペースメーカ植込み手術件数の16〜24%は電池交換手術である1).2013年度,日本におけるペースメーカの総植込み数約6万例のうち交換手術は約2万例,34%に相当する(表1).植込み型除細動器(implantable cardioverter-defibrillator;ICD)に関連する手術の41%,心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy;CRT)に関する手術の33%は電池交換手術であった.
近年,電池容量の増大,電池素材の改良,ペーシングプログラムの開発,高い抵抗値をもったリードによる電流量の減少などにより電池寿命は年々延長してきたが,交換手術の76%は電池消耗に伴う電池交換である1).一方,電池交換の適応は,多岐にわたる(表2).ペースメーカ植込み後に,ICDやCRTの適応を満たし,アップグレードに伴い電池交換ならびにリード追加が行われることもある1).デバイスリコールに伴い対象となったデバイスの早期交換が行われることもある.そして,これらの電池交換に伴い合併症が起こりうる(表3).ICDの電池交換による合併症は1.24〜8.1%と報告されている2〜4).感染,リード損傷や異常に関する報告が多く,最終的に死亡に至る事例も報告されている5〜8).
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