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綜説
呼吸器疾患における漢方診療ガイドライン
Clinical Practice Guidelines of Kampo Medicine in Respiratory Diseases
巽 浩一郎
1
Koichiro Tatsumi
1
1千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
1Department of Respirology, Graduate School of Medicine, Chiba University
pp.348-358
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205682
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研究と臨床
「呼吸と循環」の現役の読者は,おそらく漢方治療にはほとんど興味はないと推測している.呼吸と循環の研究とは無縁だからである.しかし,現役の臨床・基礎研究という立場を離れた時に,漢方医学を理解し,漢方治療を実践可能であれば,臨床の現場では大変役に立つと信じている.研究というScienceではなく,臨床というArtの世界の話になる.
「エビデンス」という用語が常に問題になる.医師の診断および治療法について,科学的な手法で求められた根拠という意味である.経験や個人的見解に基づく判断だけではなく,きちんと計画された臨床試験や,多数症例を対象に病気の原因などを探る研究を行った結果を重視して,診断や治療を行うことが求められている.しかし現実には,明確な科学的根拠(エビデンス)が乏しい場合も多く,専門医の意見を頼りに判断せざるを得ないことも多いのが現状である.言語化しにくい臨床でのノウハウの伝授により,成り立っている医療もある.
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