Japanese
English
特集 川崎病
川崎病の心血管病変へのカテーテル治療
Percutaneous Coronary Intervention for Coronary Artery Lesions after Kawasaki Disease
横山 晋二
1
,
上野 高史
1
Shinji Yokoyama
1
,
Takafumi Ueno
1
1久留米大学医学部心臓・血管内科
1Division of Cardio-Vascular Medicine, Department of Internal Medicine, Kurume University School of Medicine
pp.47-52
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205615
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
本邦の川崎病患者数は全国調査が開始された1970年以来2012年12月末までで299,440人と報告されている.本症の急性期治療はヒト免疫グロブリン療法が第1選択となっているが,2011〜2012年の2年間の患者を対象に実施された第22回川崎病全国調査の報告では,免疫グロブリン使用者のうち17.0%が不応例であり,免疫グロブリン不応例では心障害の発生頻度は高い.急性期心障害の割合は9.3%で,冠動脈病変を主体とした心後遺症の割合は2.8%と報告されている.近年の川崎病の患者数は増加に伴い,成人となった川崎病既往者も増加しており成人循環器科診療への移行も必要となっている.冠状動脈狭窄病変は遠隔期においても徐々に進行し遠隔期心筋梗塞発症の要因となりうることが知られている1).粥状動脈硬化を主体とする成人の冠状動脈病変と異なり,川崎病の冠動脈狭窄病変では高度の石灰化を伴うことが多く,成人領域で用いられているカテーテル治療(percutaneous coronary intervention;PCI)の適応や手技をそのまま川崎病の冠動脈病変に行うことは適当でなく場合によっては危険である2).また小児の場合は患児の今後の成長も考慮した治療戦略が必要である.本稿では自験例を踏まえて川崎病のPCIについてその実際と留意点について述べる.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.