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特集 川崎病
川崎病心血管病変の診断—CT
Kawasaki Disease Imaging:Coronary CT Angiography
大山 伸雄
1
,
曽我 恭司
1
,
上村 茂
2
Nobuo Oyama
1
,
Takashi Soga
1
,
Shigeru Uemura
2
1昭和大学横浜市北部病院こどもセンター
2湘南東部総合病院循環器科
1Children's medical Center, Showa University Northern Yokohama Hospital
2Cardiology, Shonan-toubu General Hospital
pp.27-32
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205612
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はじめに
川崎病は冠動脈に病変を合併する疾患である.第22回川崎病全国調査1)の報告では,川崎病急性期における冠動脈合併症の割合は8.1%で,発症1カ月の後遺症の割合は2.67%であった.冠動脈病変に対しては急性期以降も心臓超音波やCT, MRI,心臓カテーテル検査(coronary angiography;CAG)などでフォローする必要がある.成人領域における造影冠動脈CT(coronary CT angiography;CCTA)は冠動脈病変を調べる検査として確立されつつあるが,現在普及している64列多列検出器型CT(multidetector-row CT;MDCT)では時間分解能が低く,5〜10秒の撮影時間を要する.心拍数が早く,息止めが困難な小児では低年齢層での撮影に限界があった2).近年,CT技術は飛躍的に進歩し,時間分解能が向上した.320列Area Detector CT(ADCT)や64列128スライスDual-Source CT(DSCT)の出現により,息止めを不要とした撮影が可能となり,小児領域におけるCCTAの撮影を可能とした3〜5).今回,われわれの施設で使用している128スライスDSCTを中心に,川崎病心血管病変に対するCCTAの役割,適応,準備および撮影方法,放射線被ばく,問題点,限界について述べる.
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