解説
Atherectomy Catheter
橋本 統
1
,
平松 京一
1
Subaru Hashimoto
1
,
Kyoichi Hiramatsu
1
1慶応義塾大学医学部放射線診断科
1Department of Diagnostic Radiology, School of Medicine, Keio-gijuku University
pp.1061-1066
発行日 1989年10月15日
Published Date 1989/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205556
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はじめに
非手術的に狭窄血管を拡張する経皮的血管形成術(Percutaneous Transluminal Angioplasty;以下,PTA)は,Grüntigらによりバルーンカテーテルを用いたPTA (以下,balloon-angioplasty)が開発されて以来1),冠状動脈,腎動脈,大動脈,腸骨動脈,末梢動脈など全身の血管の,粥状動脈硬化症などによる狭窄性血管病変に対する非侵襲的な治療法として,広く普及しつつある。しかしこのballoon-angioplastyによる血管拡張機序の主体は,バルーンを高圧で拡張させ,血管壁に非生理的外力による過伸展を生じせしめ,狭窄血管にひび割れを形成し,アテローマをこの過伸展部に押し込めることにあり2〜5),その術後経過中に高度に損傷を受けた血管壁が修復治癒していく過程において無視し得ない頻度で発生する再狭窄の問題は,バルーンカテーテルの限界を如実に示したものである。
このような背景の中で,balloon-angioplastyとは全く異なった機序によるPTAが新たに開発され,実用段階に入りつつある。
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