Japanese
English
症例
Catheter duodenostomyの3例
Three Cases of Catheter Duodenostomy
大橋 忠敏
1
,
石井 好明
1
,
牛木 興哉
1
,
甲斐原 章
1
Tadatoshi ÔHASHI
1
,
Kômei ISHII
1
,
Kôsai USHIKI
1
,
Shôichi KAIHARA
1
1青梅市立総合病院外科
1Ōme City General Hospital
pp.1539-1543
発行日 1963年12月20日
Published Date 1963/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203223
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
BII法胃切除術でもつとも忌むべき合併症は十二指腸断端の縫合不全である.これは手術手技と術前術中術後管理の進歩とにより,往時ほどはみられなくなつたがなお絶無とはいえず,特に穿孔または穿通性十二指腸潰瘍などで断端の縫合に十分な余裕がとれず,あるいは十二指腸壁の炎症性肥厚が強いために,縫合不全の不安が持たれる症例にしばしば遭遇する.かかる場合の断端処理法が種々考案されているが1)-6),その1つにcatheter duodenos-tomy(以下本法と呼ぶ)がある.本法は十二指腸断端から内腔にカテーテルを挿入して体外に導き,内圧上昇を防いで縫合不全を避けようとするもので,一定期間後カテーテルを抜去すれば,瘻孔は速かに閉鎖して治癒に赴くことはcholedochostomyの場合と同様である.Martin Friedmann7)が創案し,欧米諸家の追試報告8)-18)はすでに150例を越えているが,本邦では麻田教授ら19)の報告を見るまで,あまり関心を持たれなかつたようである(第1表).われわれは3例の患者に本法を試み満足すべき結果を得たので文献的考察を加えて報告する.
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.