Japanese
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Bedside Teaching
心血管系におけるX線CTとMRIの対比
Comparison of X-ray CT and MRI for the diagnosis of cardiovascular disease
増田 善昭
1
Yoshiaki Masuda
1
1千葉大学第3内科
1The 3rd Department of Internal Medicine, Chiba University School of Medicine
pp.173-178
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205422
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X線CTの基礎
X線CTは種々の方向からのX線投影像をコンピュータにより再構成し,組織の単位当たりのX線透過量による断層像を得る方法である。断層像は通常横断像であり,ふつう512×512個の小四角形(ピクセルまたは画素という)からなり,個々のピクセルごとに組織のX線吸収度が計算されCT値という値で表わされている。CT値は便宜上,空気−1,OOO,水0,骨+1,000H単位で示され,画像表示の中心の値(ウインド・レベル),範囲(ウインド幅)を適当に選ぶてとによりCT像を得ることができる。CTの空間分解能は0.7〜1mmであるが,心・血管系は拍動性を持つため,検出可能な大きさは3×3mm程度である。また,コントラスト分解能(濃度分解能)は±0.5%程度であり,CT値にして5〜10H単位の差が必要である。したがって,骨,心筋,心膜液,脂肪,肺の識別が可能である。しかし,心筋と血液はほぼ同一のCT値を持つため,両者の区別はできず,その区別にはヨード化合物の造影剤の静注を要する。また,X線CTは1枚の画像を得るのに1〜10秒を要するため,静止状態での心は撮像できず,収縮期と拡張期の像を平均した像が得られる。心時相別の画像を得るには心電図同期法が行われるが,そのデータ収集期間は約100msecであり,運動ぶれの改善は少ない。また,心電図同期法は時間を要すること,被曝量や造影剤の量が多くなるため,CTでは一般に非同期法が行われる1)。
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