Japanese
English
特集 循環器画像診断の定量的評価
大血管におけるMRI
Quantitative Analysis by Imaging Diagnosis:Evaluation of Large Vessels using MRI
増田 善昭
1
,
渡辺 滋
1
,
井上 寿久
1
Yoshiki Masuda
1
,
Shigeru Watanabe
1
,
Toshihisa Inoue
1
1千葉大学医学部第三内科
1Department of Internal Medicine III,School of Medicine,University of Chiba
pp.1047-1053
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900951
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形態
1.MRI
MRIは大血管の構造診断に有用であり,非観血的に造影剤を使用することなく,任意の面での断層像が得られ,また,空間分解能も約1×1mmであるため,心拍同期法を行うことにより正確な定量的評価が可能である.しかし,大血管系についての定量評価はすでに超音波エコー法,CTなどによって行われているので,研究対象としての報告は少ない.
大動脈について,Mohiaddinらは健康人を対象に肺動脈分岐レベルでの上行大動脈,下行大動脈,および大動脈弓部の加齢による断面積変化をみている1).大動脈断面積は上行大動脈,弓部大動脈,下行大動脈と末梢へ向かうにつれ減少し,上行/下行大動脈比はほぼ2である.一方,年齢が20歳代から60歳以上になると上行,下行大動脈面積は2倍以上に増大するが,弓部における変化はより小であったと報告している.各種疾患,とくに動脈硬化性疾患では大動脈サイズの変化が起こるが,この研究はその基礎となるものとして大切である.また,心エコーやCTで評価しにくい大動脈弓部の情報が得られたことも重要である.
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