Japanese
English
特集 MRIによる心血管系の診断
心筋梗塞の形態診断—X線CTとの対比
MRI diagnosis of myocardial infarction:comparison with Xray CT
吉本 信雄
1
,
川久保 清
1
,
杉本 恒明
1
Nobuo Yoshimoto
1
,
Kiyoshi Kawakubo
1
,
Tsuneaki Sugimoto
1
1東京大学医学部第二内科
1The 2nd Dept. of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.473-480
発行日 1986年5月15日
Published Date 1986/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204862
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はじめに
近年,心血管系病変の非観血的画像診断法の進歩には著しいものがある。心エコー検査においてはセクタースキャニング法、カラードップラーの導入,心筋シンチでも従来のplanar imageの他emission CTがとれるようになり解像力が飛躍的に向上し,病変の局在診断が正確に行われるようになってきた。X線CTも臨床応用されるようになってから10年以上が経過しているが,心疾患においても心電図同期の併用や,超高速CTによるreal timeのimagingや心筋局所のflowの測定も可能となってきている。最近新しい画像診断法として注目をあつめているのがpositron emission CTと本稿の主題であるmagnetic resonance imaging (MRI)である。どちらも血流情報や代謝情報をうることができ,使用する核種の拡大,imaging機器の改良によって近い将来心疾患領域における画像診断法の一つとして大きな力を発揮するものと期待されてつる。急性心筋梗塞はその病歴,心電図.血液生化学検査などから発症は診断しうる。梗塞部位程度,広がり,心室瘤や血栓など合併症の有無,心機能などが予後に重要であり,それらを正確に把握することが治療方針を決定するうえで必須となり,最終的には心臓カテーテルや心血管造影など観血的検査が行われる。本稿では最も新しい画像診断法の一つであるMRIが,心筋梗塞の診断,合併症の検索などにおいて現在どの程度まですすんでいるのかをX線CTと対比させて論じてみたいと思う。
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