Japanese
English
Bedside Teaching
フグ中毒
Puffer fish poisoning
内藤 裕史
1
Hiroshi Naito
1
1筑波大学臨床医学系麻酔学
1Department of Anesthesiology, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
pp.1309-1313
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205378
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テトロドトキシン(以下TTX)はフグ中毒の原因物質として知られている一方,その特異な生理活性のため生理学や薬理学,分子生物学の分野で広く研究されている。長い研究の歴史の中で,構造の決定,作用機序の発見など,研究の節目節目で,日本の学者の活躍がとくに目立っている。最近ではフグの毒化機構をめぐってわが国の学者の活躍はめざましく,フグ毒の研究は大きく発展しようとしている。
フグ中毒とは別に,赤潮の発生でホタテ貝などの貝やホヤが毒化し,これによる食中毒が発生している。中毒の原因は麻痺性貝毒(paralytic shellfish poison)といわれるものであるが,その主成分はサキシトキシン(STX)である。STXは構造上TTXに似ているだけでなく,薬理作用,毒性発現の作用機序,中毒症状などはTTXと同じである。
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