綜説
Persistent atrial standstill
稲葉 茂樹
1
,
笠貫 宏
1
,
広沢 弘七郎
1
Shigeki Inaba
1
,
Hiroshi Kasanuki
1
,
Koshichiro Hirosawa
1
1東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所内科
1Department of Cardiology, Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.361-369
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205230
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はじめに
Atrial standstill(AS)は一般的には心房筋の興奮性が電気的にも機械的にも消失した状態と定義され,心不全,血栓塞栓症,Adams-Stokes発作あるいは突然死などの重篤な合併症を高率に併発することから予後不良の疾患とされている。ASの症例報告は現在までに100を越えているが,その定義は年月とともに大きく変化しており初期の症例の中には現在の定義からはASといえないものも含まれている。ことに近年の電気生理学的検査の発達と普及によりASの病態の多様性が明らかとなり,従来のASの定義およびその分類にも再検討が必要となっている。本稿ではASの診断基準の変遷を振り返り,現在におけるASの概念を整理するとともにその臨床的意義について考察を加える。
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