Japanese
English
綜説
心室遅延電位
Late ventricular potential
小沢 友紀雄
1
Yukio Ozawa
1
1日本大学医学部第2内科
1The 2nd Department of Internal Medicine, Nihon University, School of Medicine
pp.122-135
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205192
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はじめに
心疾患における突然死の原因の一つとして不整脈死は重要であり,中でも心室性期外収縮は心室性頻拍や,心室細動などの致死性不整脈に発展する可能性を持っているところからその対策は極めて重要な課題である。例えば入院前に救急隊により記録された心停止の患者の心電図の報告1)や,Holter心電図の記録中に突然死した患者の検討2)でも,大部分が心室細動により,かつ心筋に何らかの病変を認めており,特に虚血性心疾患が基礎にあるものが多いと考えられる。乙のような悪性の心室性不整脈を臨床的にどのように予測し処置できるかについては,従来よりMonitor心電図やHolter心電図による心室性期外収縮の分類や,電気生理学的検査(特に電気刺激法による心室性頻拍誘発試験)によりなされていた。最近これらの検査に加えて,心室遅延電位の体表からの検出が悪性心室性不整脈の予知にいかなる役割を果たすかについての検討がなされるようになり,その有用性が論議されている。ここでは,心室遅延電位の検出と臨床的意義についての現状と問題点についての展望を試みたい。
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