Japanese
English
解説
呼吸筋疲労にみるセントラル・コア
Central core structure and respiratory muscle fatigue
石原 傳幸
1
,
宮川 雅仁
1
,
五味 慎太郎
1
,
儀武 三郎
1
,
青柳 昭雄
1
Tadayuki Ishihara
1
,
Masahito Miyakawa
1
,
Shintarou Gomi
1
,
Saburou Yoshitake
1
,
Teruo Aoyagi
1
1国立療養所東埼玉病院内科
1National Higashisaitama Hospital
pp.137-143
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205193
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はじめに
四肢骨格筋の病理は1960年代頃より組織化学的アプローチの導入とともに飛躍的に進歩した。しかし,骨格筋の組織化学的検査は,病理学者よりも臨床家であるmyologistが片手間に行っているのが現状であり,この点について諸外国でも同様である。一方今回のテーマである呼吸筋の病理は,従来より病理学者の手で研究されてきたのであろうが,病理学者が多忙のためか組織化学的アプローチまでは施行せず,剖検時しかとれない呼吸筋は筋病理学者も興味を持たず放置していた感がある。このような事情で,呼吸筋の組織化学についてはほとんどまとまった報告はなかった。
われわれは,筋肉病学の立場からDuchenne型筋ジストロフィー(以下DMDと略す)の剖検時に採取した呼吸筋に,われわれのいう「呼吸筋のセントラル・コア変化」を1979年に見いだし発表してきた1)。この変化は,非神経筋疾患呼吸不全患者にもみられ,呼吸器疾患における最近のトピックスである,呼吸筋疲労を病理学的に裏づける所見と考えられる2)。
今回は本誌で呼吸筋のセントラル・コア変化について発表する機会を与えられたので,これまでの研究の進展過程を順に記し,読者の批判をあおぎたいと思う。
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