Japanese
English
解説
不整脈の外科治療
Surgical Treatment of Tachyarrhythmias
岩 喬
1
,
笠原 善郎
1
Takashi Iwa
1
,
Yoshiro Kasahara
1
1金沢大学医学部第1外科
1Kanazawa University School of Medicine Department of Surgery I
pp.391-398
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205039
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I.WPW症候群
WPW症候群の本態は心房心室間を連絡する副刺激伝導路にある。1968年Sealyら1)は心外膜心室側より房室弁輪下に切開を加え(infra-annural ventricular epi—cardial incision),副刺激伝導路切断に成功した。一方岩ら2)は1969年心房心内膜側から房室弁輪直上に切開を加え(supra-annural atrial endocardial incision)根治手術に成功した。現在では後者の心房心内膜からのアプローチが一般的となっており,その安全性と確実件は確立されたものとなっている3)。WPW症候群の手術は肉眼的に認識できない副刺激伝導路を切断するという従来の外科手術手技にない概念が必要とされる。またメスの及ぶ房室弁輪都には弁輪組織,冠動静脈,刺激伝導系と心臓の機能上重要な組織が集中しているため正確な解剖学的知識と確実な手術手技が要求される。この稿では,まず従来あまり論じられなかった房室弁輪部のsurgical anatomyについて述べ,副刺激伝導路の形態解剖学的知見,副刺激伝導路部位診断,手術術式などについて論じる。
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