Japanese
English
特集 PTAの適応と限界
末梢動脈に対するPTAの適応と限界
The indication and limitation of percutaneous transluminal angioplasty (PTA) for occlusive disease of lower extremity
吉田 哲雄
1
,
鈴木 宗治
1
Tetsuo Yoshida
1
,
Soji Suzuki
1
1東京医科歯科大学医学部放射線科
1Department of Radiology, School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.937-943
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204923
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえがき
経皮的血管拡張術(percutaneous transluminal angio—plasty,PTA)は,現在,下肢動脈・冠状動脈・腎動脈をはじめとして,多くの動脈あるいは静脈の閉塞性疾患に対し,外科的治療法に替わるものとして広く施行されている。このPTAは1961年にDotterとJudkins1)が腸骨動脈および大腿動脈において施行したが,はじめは広くは受け入れられなかった。しかし,1974年にGrüntzig2)がballoon catheterによる方法を考案して以来,文字どおり世界中で施行されるようになり,次々と他の血管の拡張へと応用されてきている。
このGrüntzigらによって改良されたballoon catheterによるPTAは成功率も高く,長期予後も外科的療法に劣らず,また侵襲が少ないという点できわめて優れているが,それでも施行不能症例や合併症などが皆無ではない。現在のPTAはそれなりに頂点に達しており,今以上にPTAの成績を向上させるためには新しい手法の導入が必要であり,またPTAの現状を上分理解しその適応と限界を把握することが次の飛躍のための準備として必要と思われる。ここでは末梢動脈の中でも腸骨大腿動脈系のPTAに焦点をしぼって,その適応と限界について検討する。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.