治療のポイント
腹膜灌流—その適応と限界
詫摩 武英
1
,
三村 信英
1
1虎の門病院循環器科
pp.437-440
発行日 1971年4月10日
Published Date 1971/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203571
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近年人工透析療法が普及し,重篤な急性および慢性の腎不全例が本療法で単に延命のみでなく,あたかも再び翼を得たかのごとく社会復帰することも可能となった.人工透析療法としては現在のところ,人工腎臓という特殊濾過装置を必要とする人工血液透析法と,特殊な装置をことさらに必要としない,患者自身の腹膜(22000cm2の半透膜)を利用する腹膜灌流法との2つに大別される.
腹膜灌流の発展の歴史,詳細な理論,長期透析の場合に起こる多彩な合併症,paramedicalな諸問題などは既述の報告1)〜3)に譲り,本稿ではその適応・手技・効果・副作用・限界など実際に長期腹膜灌流を施行するのに際して当面する臨床的な問題点,およびその対策について述べることにする.
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