生体の物理量計測・9
核磁気共鳴による計測
井上 多門
1
Tamon INOUYE
1
1筑波大学物理工学系
キーワード:
核磁気共鳴
,
核スピン
,
緩和時間
,
映像法
,
スペクトロスコピー
Keyword:
核磁気共鳴
,
核スピン
,
緩和時間
,
映像法
,
スペクトロスコピー
pp.1056-1062
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914063
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
計算機トモグラフィ(CT)の技術の進歩は,種々の形式のCTによる精密な生体計測を可能とした.さらにこの技術は,生体に対する非侵襲性を徹底し,また生化学的レベルの生体情報を抽出する可能性を追求することにより,核磁気共鳴(NMR)の現象を利用したMRIへと発展し,画期的な生体計測用画像工学技術を完成させた.一方,MRIに関連した機器の進歩は,NMRスペクトロスコピーの生体計測への適用を一層容易とし,MRSとして生体の細胞レベルのミクロな状態の解明に盛んに利用されるようになった.ここでは,NMR計測に関する基本的な諸概念と,映像法の原理などについて簡単な解説を行うとともに,MRIおよびMRSの具体的な例を紹介する.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.