グラフ NMR-CT
NMR(核磁気共鳴)-CTとは
池平 博夫
1
,
福田 信男
1
,
館野 之男
1
Hiroo Ikehira
1
,
Nobuo FUkuda
1
,
Yukio Tateno
1
1放射線医学総合研究所・臨床研究部
pp.1170-1171
発行日 1983年7月10日
Published Date 1983/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218355
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NMR-CTは,いわゆるNMR(Nuclear Magnetic Resonance,核磁気共鳴)現象を利用して,X線CTで得られるような生体の断層撮影を行うことができる新しい技術によって作られたコンピュータ断層撮影装置である.
NMR-CTの原理は,次のようである(図1).原子核を構成する陽子と中性子の数がいずれか一方,あるいは両方とも奇数であるような原子核には核スピンがあって,これらが磁場中に置かれ適当な周波数,すなわち環境の磁場強度と核種によって決定される共鳴周波数の電磁波がかけられると,そのエネルギーを吸収して原子核は高いエネルギー準位へと励起される.また,電磁波が切られると共鳴周波数の電磁波を放出して平衡状態へもどろうとする.このときに観測される信号をFID(自由誘導減衰)信号といい,NMR映像法の基本的な信号となるものである.
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